銘柄選択の際、企業の実力を測る指標としてROAを重視すべきことは以前に述べた。
では、ROAを基準に銘柄を選択したとして、どのレベルの株価であれば割安と言えるのであろうか。
これについては、直近のROAを用い、直近の一株あたり利益を複利で回したところ、現在のPERでの株価相当の金額を回収できるまで、何年かかるかを算出し
て判断すべきである。ざっと計算したところ、好業績銘柄も、低業績銘柄も、概ね7年~10年程度で投資を回収できるように株価が形成されているようだ(これが俗にいう適正株価水準?)。
そうだとすれば、多少業績が悪い銘柄であっても3年~5年で、企業利益によって投資を回収できる(すなわち、株価の上昇と配当の合計額が購入株価に達する)算段が立つ株価であれば、その銘柄は割安、すなわち「買い」であろうし、それ以上
であれば例え好業績銘柄であっても手を出すべきでない。
もっとも、低業績銘柄は、投資を回収した後にも引き続き低業績であるのであれば購入後3年~5年経過後に手放すべきである。そうでないと、投資の回収期間後はその低業績そのものが自らの投資成績となってしまう。ま
た、購入後ROAが下降する銘柄も手放すべきである。そのような銘柄ではそもそも3年~5年での投資の回収自体がおぼつかない。
結局、投資すべき銘柄は、今後ROAが継続的に向上することが見込め(自己資本比率を上げながらROEを高める)、かつ、現在の株価が割安、すなわち直近のROAを前提に、3~5年以下で投資が回収できる見込みのあるレベルに放置されているものである。
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